東南アジアの中でも、比較的安全とされているマレーシアの治安。
確かに、私がマレーシアに来てからは、自分が怖い場面に遭遇したことは有りません。
(2017年に来馬し、4年目です)
最初は警戒心を持って過ごしていましたが、マレーシアでの生活にでも慣れてしまって、日本にいる時と同じ感覚になってしまった自分を正す意味で書いています。
この記事を書いている今現在(2021年1月)はコロナ禍真っ只中で、再びMCO(行動制限令)が発令されるなど、マレーシア国内の経済が不透明かつ不安定な状況です。
そんな中、失業者が増加し、治安の悪化が懸念されており、実際に盗難や強盗などの事件も増えている報告もあります。
1.給与格差
一般的に、クアラルンプールでオフィスワーカーとして働くマレーシア人の、大卒相当初任給給与は、
3,000RM(8万円)前後と言われています。
結婚後も共働きが普通なので、世帯収入としては悪くない給与水準だと言えます。
ただし、都心部でも職種によってはかなり低い収入で暮らしている世帯も多くあります。
ちなみにマレーシア全体での平均給与は5,000~6,000RMとも言われております。
一方で、国で定める最低賃金は1,200RM/月(2020年2月)と決まっています。
こそ層がどのような生活になるのか、その真実は正直分かりません。
ただ、仮に毎食屋台で7RMのご飯で過ごす場合、7RM×3食×30日=630RM。この時点ですでに給料の半分が消える計算。
残りの600RM(約16,000円)で、家賃や光熱費や雑費を賄っていかなければならない計算になります。
今回の記事は給料に焦点を当てているものではなく、あくまで生活水準の格差をシンプルに表現しているだけですので悪しからず。
つまり、低所得者層がコロナ禍に職を失った場合には、どのような困窮状況に陥るかを想像することは難しくないと思います。
さらに、日本人を含め、海外からの駐在員やその家族は少なくとも彼らよりは収入も多く、それは事実として知られています。
2.マレーシアでの犯罪
マレーシアでも、殺人や強姦、強盗、傷害、ひったくりなど、犯罪は発生しています。
ただ、日本と比較した場合に圧倒的に多い犯罪が強盗です。
その発生件数は、認知されているだけで、日本での発生件数の25~30倍といわれています。
平常時でもこの多さなので、経済活動が停滞し失業者が増加傾向の今、この手の犯罪がさらに増えることが容易に想像できます。
また、よほどのことが無い限、警察も動いてはくれません。
よって、海外旅行をする時の緊張感は、常に持っていることが必要だなと改めて感じます。
3.実際に身近で発生した事件
- 飲みに出かけて夜11時頃の帰宅途中に、バイクに乗った二人組に肩掛け鞄をひったくられた。本人もかなり引きずられて打撲と複数個所への擦り傷。(モントキアラエリア)
- 家族3人(大人2人+子供1人)で外出から帰宅してコンドミニアムの自室のドアを開けようと鍵を探していると、非常階段からいきなり男が迫ってきて子供の腕をつかみ誘拐しようとしたが、大人2人で撃退し、未遂で終わる。(コンドミニアム内で発生したことが衝撃的な事件)
- 車を運転中に警察に停められ、トランクを開けるように指示された。指示された通りにトランクを開けると、警察が運転席に戻ってきて、白い粉が入った透明の袋を目の前に突き付け、公にしない代わりに現金を要求される。(マレーシアで薬物絡みで逮捕されると死刑が求刑されるので、大抵のドライバーはその場で支払ってしまう)よって、トランク内を見たいと言われた時には、警察の身分を証明するものを提示することを求め、その後に車外へ出る。そして警察と一緒にトランクの中身を確認することが大切です。
- 走行中に警察を名乗る男たちに停められ、「この周辺で事件が発生したから各車に事情聴取をしている。車から降りて下さい」と言われ、下車した途端に車を奪われる事件。
- スマホを見ながら歩いていると、バイクに乗った男に追い抜きざまにスマホを奪われる。
これら類の事件はかなり多く発生しており、自己防衛以外、対処のしようがありません。
でも私が市場に行き、財布を落としたことに気づき、自分が歩いたルートを何往復もして困り果てていると、インド系のおばさまが近づいてきて、この財布はあなたのですか?
と拾って保管していてくれたことがありました。
日本じゃなくても落とした財布が戻ってくるんだなと感動したこともありました。
全てに警戒するのも疲れてしまいますが、「初心忘れるべからず」と言うことで、今一度気を引き締めて駐在生活に励んでいこうと思う今日この頃です。
では今回はここまで!!